日常を支える道具との親和。RAFAEL NAVAS

日常を支える道具との親和。RAFAEL NAVAS

2020-03-29
彫刻

今回取材したのはギャルリhu: で行われたRAFAEL NAVAS(ラファエル ナバス)氏の展覧会。
華やかな色彩によって彩られた机や棚などの作品が多く展示されていて、どれも目を掴んで放さない引力を持っていました。それではご紹介いたします。

メディアとしてのインテリア

今回この展覧会で多く用いられていた素材はインテリアだ。

インテリアとアートの関係性は微妙で難しい。
それはデザインとアートの関係にも似ているように感じる。

インテリアは実用性、品質、製品そのものの美しさが揃って評価されていくが、アートワークはそうではない。
ことコンテンポラリーアートにおいては尚更である。

どちらも空間や使用者、鑑賞者に作用を及ぼす存在ではあるが、本質的な部分では異なる。
簡単にいうとインテリアは物質性、アートは精神性に干渉することが言える。

ではナバス氏の作品についてはどのような立場にあるのだろうか。

私の印象としてはアートワークに見えた、つまり相当な精神性がみられたように思う。
椅子や机などに引かれていく線や様々な色を使いアグレッシブに表現されているところがそう思わせる。

鑑賞者の注意を存分にひく色使いと線の引き方。
直感的に表現されたその構成は、みていてすごく楽しくなってくるものである。

それらは多分ナバス氏の感性、つまり精神性からきているものではないかと思う。

常に新しい事象に触れる

ナバス氏は素材に自分の感性を乗せていくだけではなく素材自体も加工していた。

金属の加工工程がわからない時には職人の元をたずねその技術を吸収し、それを作品に昇華していく能力を持っている。
これらの作品もそうである。

中央上の見える背もたれがグニャグニャしている作品は金属板はきれいに曲げる技術が用いられていた。

このような能力を持っているが故にナバス氏は一つの場所には止まらず様々な方向へと制作を進めていく。
今回の素材となったものはインテリアだったが、この題材に挑戦するのは初めてだったという。

ナバス氏は作るものをどんどん変えていっていて、「この方法はうまくいった、じゃあこの方法でどんどん作品を生み出していこう!」とはならず、「じゃあ次はどんなものを作ろうか」と常に新しいことへの関心を高く持っているそうだ。

まとめ

今回はインテリアとアートワークの関係性に触れつつ、ナバス氏の作品がどうのような立場で制作されたかを考えた。飽くなき好奇心が生み出す数々の作品は、ナバス氏自身の作品に他する思いがみられる。

前回このギャラリーで取材した展覧会記事はこちら

骨格に見る、生命の美しさ。清河 北斗 HOKUTO KIYOKAWA – ARMOURS-
今回取材したのはgallery:huさんで行われた清河 北斗さんの展覧会「ARMOURS」 様々な生き物の骨格を抜き取り変形(トランスフォーム)させていました。…
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展覧会情報

RAFAEL NAVAS ラファエル ナバス

2020.2.29 sat- 3.19 thu
11:oo-18:oo
close / 月・火

場所:ギャルリhu:
名古屋市東区筒井 3-22-2