床の間から繰り出す新しい世界。前畑裕司「床の間に松」

床の間から繰り出す新しい世界。前畑裕司「床の間に松」

2019-03-25
インスタレーション

今回取材したのはgallery finger forum(名古屋市名東区)で行われた前畑裕司さんの「床の間に松」
床の間をイメージした作品の配置や、採光など非常に今日に深いものが多く感じました。前畑さんの作品はユニークなものが多く驚きつつも関心できる作品ばかりでした。
そんな前畑さんの「床の間に松」を紹介します。

伸びる松

会場に入った瞬間に目に入ってきた作品がこちら。

松のランプです。
高級料亭にありそうなランプですが、じっくり見てみると少しの違和感を感じるかもしれません。

実はこの松。
プリンターの特性を生かして伸ばされているんです。

プリンターでスキャンするこの瞬間に手でずらしていくんです。

このようにすることによって普通のバランスの取れている松ではなく、どこか間抜けしているようだが面白い松の出来上がりです。
そしてこのプリントした松を丁寧にランプへ貼り付けて完成です。

またこの松自体は前畑さんが描かれたものではなく、あの「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるさんの松が元になっているそうです。

生まれ変わる掛け軸

松の他に「床の間」に欠かせない要素としてもう一つ、掛け軸があります。
「床の間」の役者、掛け軸も展示されていたのですが、やはりここにも仕掛けが張り巡らされています。

この掛け軸。
これ、リサイクルショップで買ってきたものだそうで、その上から「Japan」という野球の日本代表のロゴをペイントしてあるんです。

最初に見たとき、「シールが貼ってあるのかな?」と思って見ていたんですが、よくよく見てみるとシールではなくちゃんと描かれているものなんですよね。

そのほかにも岩絵具で描かれた絵画などもあって前畑さんの技術の高さが伺えました。

(岩絵具は鉱石を砕いて作られているので光が当たるとキラキラして見えるんです。)

まとめ

前畑さんの奇想天外な作品たちはみるたびに驚きと関心を与え、展開されて行きます。
次はどんな仕掛けが待っているんだろうという気持ちを持たせ続ける作家は本当にすごいです。

前回行われた展覧会

全てはバランスで。LEE CHANGMIN個展

展覧会情報

前畑裕司展「床の間に松」

会期:2/27〜3/17

場所:gallery finger forum
〒465-0046
愛知県名古屋市名東区望が丘268-1
にしほマンション1F

あいちトリエンナーレパートナーシップ事業