今回は藤原史江さんの「永遠と一瞬」を取材してきました。
藤原さんの作品で最も注目すべき点はなんといってもマッチで作品を制作されているところです。
小さなマッチが作り出す大きな絵画をご紹介いたします。
マッチは発火しないの？
この展覧会で最も大きく印象深かった絵画がこちらです。
この一つ一つの白い線。
全部マッチで書かれているんです。
皆さんはマッチを擦った事がありますか？
マッチを擦って火をつけると擦った面にあとが残ります。
その現象を利用してこの絵画は描かれました。
擦ると燃えないんだろうかと思いましたが、実はマッチが燃えるのには擦るだけではダメで、マッチ自身と擦過面（擦るところ）の両方に薬品がついていないとつかないのです。
ですのでどれだけ擦ってもマッチがつく事がありません。
この作品は「彗星たち」というタイトルで二つの輪を中心にメビウスの輪のように描いたそうです。
線が太いところや細いところ、短いところや長いところそれぞれの個性が重なって大きな作品を作り上げています。
このような作品を作るときは一点から集中して作るとだんだんとバランスが崩れていってしまうので、いろんなところからじょじょに描いていきます。
季節を映す作品たち
次に紹介するのはこちら。
色つきのマッチで作られた作品です。
こんなにたくさんの種類の色付きマッチがあるとは知りませんでした。
この色付きマッチで描かれるのはその季節に現れる虫や草花です。
マッチは漢字で書くと「燐寸」
刻々と姿を変えていく炎の姿は移り変わる季節とイメージが重なります。
マッチ独特の質感が蝶々の羽をうまく表現できていてとても綺麗でした。
まとめ
最初に作品を見た時「え、これって燃えるんじゃない？」と驚きましたが説明を聞いているうちにマッチに込められたメッセージを感じることができました。
今ではもうあまり使われなくなってしまったマッチですが新たな輝く場所を見つけたようでした。
展覧会情報
永遠と一瞬
会期:2/2〜2/24
出展:藤原 史江
ギャラリー
galleryAPA
Main room・Fine roomの2本立てで、年間30本以上の企画展(GALLERY APA)と、 作家約40名のアートのスーパーマーケット(Marche de APA)として活動。
気軽にどなたでも入って頂ける空間作りを目指しています。