骨格に見る、生命の美しさ。清河 北斗 HOKUTO KIYOKAWA – ARMOURS-

骨格に見る、生命の美しさ。清河 北斗 HOKUTO KIYOKAWA – ARMOURS-

2019-09-01
彫刻

今回取材したのはgallery:huさんで行われた清河 北斗さんの展覧会「ARMOURS」

様々な生き物の骨格を抜き取り変形(トランスフォーム)させていました。また、作品が放つ艶やかな光沢も見所です。それではご紹介いたします。

様々な生き物から生まれるフォルム

生き物は様々な形をしています。
しかし、多様な姿に生まれる生物の美しさは私たちの心を動かします。

こちらの作品。
なんの生き物がモチーフになっているかわかりますか?

実はこれ、尺取り虫なんです。

尺取り虫のなんだかずっと見てしまうような独特な動き。その動きのイメージがこの作品に映し出されていました。

カラーリングについても特殊な加工が施してあり、車の塗装に使う塗料を使用して仕上げられています。尺取り虫のフォルムとは全く違うかっこよさが出ていて新鮮でした。

そのほかにはてんとう虫をモチーフにした赤と黒のカラーリングが施されているものもありました。

極大なスケールで展開される作品

galleryの中央に展示してあるこの大きな作品にも目が吸い寄せられます。

これは亀がモチーフになっていて、この作品は「亀がさらに進化し甲羅が顔すら覆ってしまったもの」というイメージを持って作られました。

ところどころに空いている穴は呼吸のための穴だったり、外を見るための覗き穴になってるようです。

清河さんは普段舞台などでも作品を展開しており、基本的にはとても大きい作品を作られています。

こちらは舞台で使われている人の像と、さなぎのような形をしたオブジェクトを50分の1ぐらいの大きさにレプリカとして作られたものです。

さて、ここまで紹介してきた作品はどれも左右対称のものだけでした。

作品のカラーリングも形もそれぞれ「同じ」ものでした。しかし、人間が作る以上左右で少しズレが出てくるものです。例えばカラーの大きさだったり形の歪みだったり。

清川さんはその左右の微妙な違いこそ生き物のもつ面白さであり、人間らしさなのではないかといようにおっしゃっていただけました。

なるほど、完璧なものよりもさらにいいものを作っていく意識が垣間見えたように思えました。

まとめ

尺取り虫やカメ、カブトムシなど様々な動物の外骨格・骨格が美しい流線型のフォルムとなって展示されていました。作品に描かれている柄も自然界に実際に存在するものをモチーフとして描かれているのもより生き物の生らしさが感じられました。

展覧会情報

清河 北斗 HOKUTO KIYOKAWA – ARMOURS-

会期:2019.08.24 – 2019.09.14
open:11:00-18:00
月・火休み

場所:gallery:hu
名古屋市東区筒井 3-22-2