今回取材させていただいたのは名古屋のギャラリー、ガレリアフィナルテさんで行われた「石原和則展」です。抽象化された「ヒト」をテーマにした作品を制作されています。
そんな石原和則さんの世界をご紹介いたします。
激しさの中にあるバランス
石原さんの作品は人をモチーフにしていることが多く、ほとんどの作品が人の形をしたものです。
人が馬跳びをしているところだったり、
うんていで遊んでいるところだったり。
このような作品はどのようにして形などを決めているのか、と聞くと「僕は教員だったので学校のグラウンドに出ると生徒が体育をしていたり遊んでいたりするんです。そんなところをスケッチしたりして形を決めています。」と教えてくださいました。
またそれだけではなく、自分の幼少期の思い出なども混じっています。
それがこちらです。
これはシーソーかそれとも木の上のような高いところなのか。
この空間を考えた時に上に座っている両者の対話が生まれる。
それはどんな会話か。
ということを考えさせる一種の装置だ、とおっしゃっていました。
まさに言葉では表せない領域を作品で表現しています。
合板で形作られる「ヒト」
ここまで紹介してきた作品たちは全て合板(木の板)でできています。
さすがに無垢(木から掘り出したもの)は重たすぎるらしいです。
合板に切れ目を入れはめ込み接着していきます。
この作業がかなり難しいらしく、うまく固定しておかないとゆがんでしまったり、へんなふうにくっついてしまうことがあるそうです。
なので余った木材などで支えを作り調節しているそうです。
そして形が完成した後、ペイントして関節の部分などにヤスリをかけてまるみを出して自然さを演出していました。
また、作品は横にして作ったりなど完成時と違う状態で作ってしまうと思っていたものと違うものができてしまいます。
なので石原さんは立った状態で作品を制作されているそうです。
展覧会の中には色のついた作品がいくつかありました。
この装飾はデンマークに行った時に学んできたもので、
北欧では家具に鮮やかな青や赤などの色がついていることが多くそれを作品に応用させた結果だそうです。
まとめ
作品をみて「この人どんな気持ちで何を考えているのだろう。」ということを考えるのがとても興味深く、素晴らしい時間を過ごしました。
「ヒト」がどのように動き、みられているのか知ることができます。
来年の2月ごろに石原和則さんの展覧会があるそうなので気になったあなたは行ってみてもいいかもしれません。
展覧会情報
石原則和展/Norikazu ISHIHARA exhibition
会期:2019年2月12日(火)〜23日(土)
作家プロフィール
石原和則
愛知県生まれ
大阪芸術大学美術学科卒
個展「子供の遊び」「組み立てられる人」など
第4回風の芸術展 大賞
愛知県文連展 文化連盟賞
開催ギャラリー:ガレリアフィナルテ