今回取材したのはgalleryNさんで行われた引込線のサテライト企画「距離と伝達」
鏡を使った作品や紙をめくる作品など作品に直接触れて鑑賞するものが多い印象でした。
引込線という企画のサテライトで行われたこの企画は、果たしてどのような表現をこの空間で繰り広げてくれるのでしょうか。それではご紹介致します。
作用しあう中に見える「伝達」
「伝達」というのは英語に訳すとCommunication(以下コミュニケーション)である。
日本でコミュニケーションというと会話をしたり、他者と交流するようなイメージを持つ単語だ。
今回のこの「距離と伝達」はまさにそのコミュニケーションという言葉を表現しようとする姿勢が見えた。
例えばこの鏡が横に4~5枚ほど並んでいる作品。
鏡のなかを覗き込むとさまざまなところが見える。
それは自分であったり他の人だったり違う作品だったりと、とにかくありとあらゆるものを映そうとする。映り込む。
その作用が他者に対しての気づきとなり新たなコミュニケーションが生まれていくのではないだろうか。
また、これは人間同士に限られたことではない。
こちらの作品は、何も描かれていないスケッチブックが一冊机の上においてあり、それをめくったりして質感やそのスケッチブックが持つ情報に触れるものだ。
実はここにもコミュニケーションが潜んでいる。
コミュニケーションとは情報を伝え合い、やりとりしていくといういうような意味合いも含まれるため、ページをめくりスケッチブックの質感を感じ何も描かれていない余白の上にさまざまなイメージを膨らませていくこともまたコミュニケーションなのだ。
スケッチブックに触れ対話を開始し、ページをめくる手が対話を弾ませる。
浮かんでは消えていく雲のようなイメージを、ひたすらに余白の上へのせていく。
会場には至る所にQRコードが設置してあり読み込めるようになっていた。
これらはひとつひとつ違うページに飛びさまざまなステートメントや情報が得られるようになっていた。
宝探しのようなこのギミックは鑑賞者をよりインタラクティブな関係性へと持ち込みこの展覧会のテーマである「距離と伝達」を意識することになる。
まとめ
今回は「距離と伝達」の伝達について重点的にお話ししたが距離に関しても同じくらい大切で重要な表現ポイントが詰まっていた。
しかしここではそれをあえて書かず伝達を意識してみたそれは偏に私がコミュニケーションに興味があるということだけではなく、このサイト自体もコミュニケーションツールの一つとして意識してもらいたいためだ。