今回取材したのはギャラリーIDFさんで行われた小野友美さんの展覧会「Drawing from our ship」
会場に入り、目に飛び込んできたのは空白が見つからないほど細かく書き込まれたイラストボード。よくよく観察すると、たくさんのお花が描かれているのがわかりました。また、お花だけではなくところどころに飛んでいる鳥もアクセントになっていて、お花の彩りをより豊かにしていました。
びっしりと描きこまれた花々
小野さんの作品で最も特徴的なのは、やはりびっしりと描かれたこのお花。
途切れることなく描かれているこの花々は、下書きをせずに描かれているそうです。下書きもせずともここまで描いていけるのは才能なのかもしれません。
小野さんはこれらの絵を描くとき花を意識して描かれるのですか、と尋ねると「いえ、私は絵を「花を描く」という意識ではなく、「柄を書く」という意識で描いています。」
なるほど、一つ一つを花として捉えるのではなく、全体を柄として見ることで、絵が均一に描けるのかもしれません。
これらの作品は並行して同時に作られているのですが、こちらの作品は作るのに4年ほどかかったそうです。なので、この作品が制作されている4年間にどんな変化があったのかを少しのぞき見ることができます。
例えばこの鳥。
この鳥は最後のあたりには直接描かれているのですが、最初の方をみてみると、
上から貼ってあるんです。
なぜこのような構造になっているのかというと、作品を作っている途中に「花だけでは味気ないなぁ。」と思い鳥を入れてみてところ見事にマッチし描くようになったそうです。
長い年月をかけて作られた作品はこのような変化をみることができるのですごく面白いですね。
1日1ページを描いていく日記
この展覧会の中で机の上に置いてあったこの冊子。
なんだろう、と開いてみるとページをめくるたびに様々な絵や押し花、そしてところどころに描かれている文章が目に入りました。この冊子、実は小野さんの日記で、1日1ページを目安に毎日描いているそうです。
ページいっぱいに描かれている日もあったり、
時には押し花をメインにして文章をつけてみたり。
様々な方法で日々のページを積み重ねてありました。
日記の中では普段描かれているお花だけではなく宇宙を描いてみたり、鳥をめいっぱい描いてみたりというページもあり、作家の裏側をみているような気分になります。
まとめ
水の波紋のような柄の作品や、色鉛筆で描かれているものなど様々な表現に挑戦しているのが伺えます。また、一日1ページ描かれているという日記では、文字やコラージュなど普段の作品の中ではみられない表現がありとても興味深い内容になっていました。
前回このギャラリーで行われた展覧会
展覧会情報
小野友美展
会期:3/30〜4/14
open:11:00〜18:00
最終日17:00まで
火曜休み
会場:ギャラリーIDF
名古屋市名東区社が丘1-201 IDFビル2F
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